インスタグラムを眺めていると、必ずと言っていいほど目にする「気になる人は『詳細』とコメントください!」「今の気持ちをスタンプで教えて!」という投稿。
最近ではさらに踏み込んで、「毎月400円払うだけで、将来毎月〇〇万円もらえる方法。知りたい人は『年金』とコメントして」といった、一見すると怪しい(?)勧誘のようなものも増えています。
「あれって一体何なの?」「コメントしたらどうなるの?」と疑問に思っている方も多いはず。今回は、私が実際に試してみた体験談を交えつつ、インスタで「コメント募集」が溢れている裏側を解説します。
実際に試してみた「400円で大金がもらえる」の正体
先日、あまりにも気になったので、ある投稿の指示通りにコメントをしてみました。 その投稿の内容は、「毎月たった400円の投資(?)で、老後に毎月数万円が上乗せされる。知らないと損!」という、なんとも魅力的な(あるいは怪しげな)キャッチコピーでした。
コメントを送ると、すぐにDM(ダイレクトメッセージ)で詳細が送られてきました。そこに書かれていた正体は……「付加年金」でした。
「嘘ではないけれど……」というモヤモヤ
付加年金とは、国民年金基金連合会が運営する公的な制度です。確かに月額400円を納めると、将来受け取る年金が増えるという、非常にお得な仕組みではあります。
しかし、ここで大きな落とし穴があります。付加年金に加入できるのは、自営業者やフリーランスなどの「第1号被保険者」だけなのです。
会社員として厚生年金に加入している人(第2号被保険者)は、そもそもこの制度を利用できません。それなのに、投稿では「全日本人がやるべき!」と言わんばかりの書き方。
知らない人が見れば「すごい裏技を見つけた!」と思うかもしれませんが、多くの会社員にとっては「自分には関係ない情報」だったわけです。正直、「新手の詐欺か、あるいはただの釣りか……」とガッカリしてしまいました。
なぜ彼らは「コメント」を欲しがるのか?
では、なぜわざわざ「コメントください」なんて言うのでしょうか? ネットで調べればすぐ出てくるような情報を、なぜ小出しにしてコメントを促すのか。そこにはInstagramの仕組み(アルゴリズム)を逆手に取った戦略があります。
1. アルゴリズムで「おすすめ」に乗りやすくするため
インスタのAIは、「コメントや保存が多い投稿 = 価値がある投稿」と判断します。 コメントがたくさんつくと、その投稿は「発見タブ」などのレコメンドに載りやすくなり、フォロワー以外の人にも爆発的に拡散されます。つまり、コメントは投稿をバズらせるためのガソリンなのです。
2. DM自動送信ツール(ManyChatなど)の活用
最近の流行りは、特定のキーワードをコメントすると、AIが自動で詳細URLをDMで送りつける仕組みです。 投稿者は寝ている間も、コメントがつくたびに自動で自分のブログや公式LINEへユーザーを誘導できます。効率的にアクセスを稼ぐためのマーケティング手法というわけですね。
3. 親密度(エンゲージメント)を高める
インスタには、頻繁にやり取りするユーザーの投稿を優先的に表示する仕組みがあります。 一度コメントやDMでやり取りをすると、「この二人は仲が良い」と判定され、次回以降の投稿がその人のタイムラインに表示されやすくなります。
その「コメント」の先に待っているもの
「コメントください」系の投稿のすべてが悪質というわけではありません。本当に役立つレシピや、便利な家事の裏技をまとめた資料を配っている人もいます。
しかし、中には以下のような目的が隠れていることもあります。
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公式LINEへの誘導: よりクローズドな場所で、高額なスクールや商材を売るため。
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アフィリエイト報酬: 解決策として特定のサービスを紹介し、紹介料を得るため。
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リスト収集: 「この話題に興味がある人」というリストを作り、将来的な営業活動に活かすため。
「付加年金」の例のように、情報は正しいけれど、ターゲットを無視して煽っている」ケースも多々あります。
まとめ:情報を鵜呑みにせず、一歩引いて見てみよう
インスタで流れてくる「お得な情報」や「秘密の裏技」は、多くの場合、注目を集めるためにかなり大袈裟に表現されています。
「コメントください」と言われたら、「あ、これはアルゴリズム対策だな」「この人は何かを売りたいんだな」と、少し冷静な視点で眺めてみるのが正解かもしれません。
もちろん、本当に興味がある内容ならコメントしてみるのも自由ですが、送られてきた情報をそのまま信じるのではなく、自分でも一度検索して裏を取る癖をつけたいものですね。
あなたは、最近どんな「コメント募集」を見かけましたか?